最新作「ギリシャ人の物語」で民主制の始まりから成熟、崩壊の過程を描いたイタリア在住の歴史作家「塩野七生」さんの日経新聞のインタビュー記事の抜粋です。
「歴史を見てみると、魚は頭から腐る。頭は一番重要で、それが政治。民衆は相当、最後に至るまで健全なんですよ。しかし政治が最初に腐ると、民衆がいかに一生懸命にやっていても国力がどんどん下がってくる。だから政治が機能してくれなきゃ困るんです。」
「私は民主制自体はやっぱり最良の制度だと思っています。ただし民主制は投票に全てがかかります。投票した人間はやはり『機能してくれ』って期待しているわけですね。だから機能しないと失望し、失望した揚げ句がポピュリズムです。金貨の裏表みたいで『うまく使うとこちら側になるが、そうでないと裏が出る』というようなものです」
「政治家ってのは使い捨てにされる。だからこそ主権在民なんだと。日本は政治家を使わないで捨てることばかり考えている。まず使う。委託したんですから倒れるまで使えばいい」